災害時に逃げ遅れないための正しい避難方法
梅雨前線の発達や暴風雨が激しくなって風災害の危険が出て避難情報が出ても、直ぐに避難せずに逃げ遅れて命を落とす方が少なくありません。
確かに、日本は台風が多いこともあって警報や注意報が頻繁に発令されるので、テレビを見ても防災情報に慣れてしまったという方も多いのではないでしょうか。
実は人の心は危険を過少評価してしまう働きがあり、その特性を意識していないと危険なときに逃げ遅れたりします。
今回は、災害時の人の心理と行動の傾向について知り、逃げ遅れないために正しい避難方法について紹介します。
●危険なのに大丈夫と思う心の働き、正常性バイアス
人の心は、災害が迫っていて異常を感じ始めても、
「自分は大丈夫だろう」
「大したことはない」
とある程度まで思う癖や、周りの人と違う行動を取りたがらないという傾向があるとされています。
このため、災害時の危険を過少評価したり、不安を感じても周りの人の行動に合わせてしまうので、逃げ遅れにつながるといいます。
このような心理作用は、「正常性バイアス」と呼ばれています。
私たちは、生きている上で物音や気象の変化など様々な刺激にさらされていて、何かが起こる度に反応しては恐怖や不安で精神が疲れてしまいかねません。
このため、心の平穏を保つための防御機能が正常性バイアスです。
一方、周囲の人の行動に合わせるのが「同調性バイアス」と呼ばれます。
これも「赤信号、皆で渡れば怖くない」と言われるように、ちょっとした刺激に鈍感でいられます。
地震や暴風雨などでの危険を「正常性バイアス」や「同調性バイアス」でとらえてしまうと、非常事態になっても危機意識を鈍らせてしまいます。
●正常性・同調性バイアス影響があったとされる事例
正常性・同調性バイアスが常に起こりうるということを事例で示すと次のようなものがあります。
・東日本大震災(2011年)
宮城県石巻市立大川小の児童ら84人が津波で死亡・行方不明。
正常性バイアスが教職員の避難判断を妨げた可能性
・西日本豪雨(2018年)
岡崎県倉敷市真備町では浸水範囲がハザードマップとほぼ一致したが、多くの住民が逃げ遅れなどで犠牲に
(出典:讀賣新聞,2020年5月16日「防災ニッポン、風水害逃げる(4))」)
●災害時の正常性・同調性バイアスへの対処法

災害時の教訓も踏まえ、正常性・同調性バイアスを打破するにはどうすればいいのでしょうか。
バイアス打破の対処法をまとめてみました。
心の切り替え
正しい避難行動をとるためには、正常性・同調性バイアスが誰にでも起こり得ることを自覚して、警報や注意報があったときは心の切り替えを図り危険が高まったと受けとめることが大切です。
自問自答する習慣
バイアスは無意識に働くので、都度「被害予想を軽くとらえていないか」、「バイアスがかかっているのではないか」と自問自答する習慣をつけて、しかるべき避難をとるようにしましょう。
取るべき行動を事前に決めておく
以上の切り替えや習慣の他に、取るべき行動を事前に決めておくこともバイアスを打破する方法です。
例えば、警報が出れば市町村から発令される警戒レベルの発令がなくても、
・防災アプリやテレビで災害情報を収集する
・非常持ち出し袋を確認する
などの具体的行動を決めておき、実行に移すことで周囲の人の動きなどに迷わせられたりするリスクが低減できます。
自分の心に起きるバイアスも意識して、決して油断をすることがないように正しい避難方法を身に付けていきましょう。
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