防災ヘルメットの正しい保管方法と正しいかぶり方とは!?
地震などの自然災害対策として、防災用のヘルメットは備蓄済みですか?
ヘルメットは食料品や水と違って、一度買っておけば災害が起こるまで何年も使えるので安心と思いがちですが、ところがそうではありません。
防災用ヘルメットも含めて、ヘルメットには保管期間があるのをご存知ですか?
そして、いざ災害で使うときには、正しいかぶり方をしないと頭部を保護できなくなるおそれもあるのです。
今回は、ヘルメットの正しい保管方法や正しいかぶり方について説明します。
●防災ヘルメットの正しい保管方法
防災ヘルメットの保管期間
「防災ヘルメットに保管期間があるのを知らなかった…」
という方もいらっしゃるかもしれません。
防災ヘルメットは労働安全衛生法に定める「保護帽」を防災ヘルメットとして使用するケースが多いと思いますが、一般社団法人 日本ヘルメット工業会では、防災ヘルメットの保管期間を次のように案内しています。
「異常が認められなくても使用開始してから、若しくは防災用ヘルメットとして
購入し、保管を始めてから6年を経過の防災用ヘルメットは交換してください。」
(「保護帽を防災ヘルメットとしてご利用のお客様へ」、2015年9月14日付)
防災ヘルメットの構造と劣化部品
防災ヘルメットは、”帽体”、”衝撃吸収ライナー”、”着装体”から構成されています。
・帽体
頭部を保護する硬い帽子状のもので、材料はFRP樹脂(繊維強化樹脂)、PC(ポリカーボネート)樹脂、ABS(アクリルニトリルブタジエン・スチレン)樹脂、PE(ポリエチレン)樹脂などのいずれかで作られています。
材料は用途によって使い分けられています。
・衝撃吸収ライナー
帽体に衝撃が加わった際に頭部に加わる衝撃を吸収するための部品で、発泡スチロールなどが用いられます。
・着装体
保護帽を頭部に保持し、衝撃を緩和する部品で”ハンモック”、”ヘッドバンド”、”環ひも”、”あごひも”から成り立ちます。
これらを構成する部品の中で、経年劣化しやすいのは樹脂製の帽体です。
日常の生活でよく経験するのは、樹脂製の洗濯ばさみの劣化です。
使っているうちに、パキッと折れるときがありますけど、これは樹脂の劣化によるものです。
樹脂は使用されている環境のさまざまな要因で劣化が起こり、特に熱や紫外線があると劣化が進みます。
そのため帽体の材料の経年劣化により本来の機能である頭部の保護が十分できなくなる可能性がありますので、注意が必要です。
防災ヘルメットの保管方法
帽体に使われている樹脂を劣化させないために、保管上の注意事項を説明します。
*50℃以上の高温になる場所や、光の当たるところでは保管しない。
*過去に使用した時に一度でも大きな衝撃を受けたら、外観に異常がなくても使用しない。
*ヘルメットは1年に一回は保管状態が良いか、着装体に異常がないかなどを点検する。もし、保管期間が6年を超えていたら交換する。
●防災ヘルメットの正しいかぶり方
防災ヘルメットの性能に問題がなくても、ヘルメットを正しくかぶらないと頭部を保護することができません。
下を向いたときや転んだときに肝心の防災ヘルメットが脱げてしまっては、ヘルメットを着用する意味がありませんので、正しいかぶり方をしましょう。
防災用なのでめったにかぶることがないというときは、保管開始時や点検時に次の点に注意してかぶってみてはいかがでしょうか。
真っすぐ深くかぶる
斜めにかぶったり、後ろに傾けてかぶっては、頭部の保護が十分にできません。
ヘッドバンドを頭のサイズに合わせる
ヘッドバンドを頭のサイズに調節して、頭にフィットするようにします。
ゆるゆるだと、使用中にぐらついたり、脱げてしまい頭部の保護ができません。
アゴひもをしっかり締める
アゴひもはしっかり締めるておかないと、姿勢によっては脱げたり、頭部に当たったときなど脱げてしまい頭部の保護ができません。
-
前の記事
収納性に優れている防災用折りたたみヘルメット、種類と特徴 2019.05.27
-
次の記事
防災グッズは本当に必要なものを揃える!防災セットの選び方の基本 2019.06.05
コメントを書く