収納性に優れている防災用折りたたみヘルメット、種類と特徴
- 2019.05.27
- 防災グッズ 選び方
- 防災用折りたたみヘルメット, 収納性, 保護帽

防災用として懐中電灯や防災ラジオ、非常食、飲料水を準備している方は多いですがヘルメットを準備している方は少ないのではないでしょうか。
ヘルメットは災害時に飛来してくる落下物から頭部を守ったり、足場の悪い避難路で思わぬ転倒をしたときなど大切な頭部を保護することができます。
地震では倒壊しかけた建物の上部からガラスの破片が落ちてきたり、台風では外を歩いていると看板が落ちてきたり、また火山の噴火では噴石が落ちてくるなどの危険があります。
それらの危険から身を守るためにも防災用のヘルメットを準備しておくことが大切です。
でもヘルメットってかさ張るので購入しても防災リュックには入らないし、普段保管するにもかさ張るので保管しにくいものですよね。
そんなときに便利なのが、折りたたみヘルメットです。
最近は携帯性を考慮して、折りたたみヘルメットは多く開発されて製品化されているので紹介します。
●折りたたみヘルメットの種類
折りたたみヘルメットは、本来立体的な帽子状のものを折りたたむのですから、設計やデザイン的には非常にアイディアに富んだものということができます。
現在製品化されている折りたたみヘルメットをアイディア的に分類すると次のような種類のものがあります。
・輪切りにして留め具でつなぐ方式
・左右に折りたたむ方式
・上下に潰す方式
・帽子の上半分を回転する方式
帽子を折りたたむアイディアには以上のようなものがありますが、折りたたむとヘルメットの保護性能が落ちるという相反する難しさをどう解決したかがヘルメットメーカーの売りになっています。
●ヘルメット(保護帽)に要求される性能
ヘルメットの性能については、厚生労働省が定めた「保護帽の規格」があり、この規格で定められた試験を行い、国家検定に合格したものでなければ製造・販売ができないことになっています。
これは労働安全衛生法で定められた危険な場所での作業には、保護帽を着用しなければならいと定められていることと関係します。
ところが、災害時に発生する危険な場所は、労働安全衛生法で定められているわけでもなく、他の法律でも定められているわけではありません。
したがって、防災用のヘルメットという規格があるわけではありません。
ここで注意すべきことは、防災用ヘルメットという場合は、労働安全衛生法で定められた危険な場所や作業で用いるヘルメットではなく、災害時の非常時のみに被るヘルメットということを意味しています。
なので、労働安全衛生法で定める作業用のヘルメットを必ずしも使わなくていいわけですが、危険場所での作業用にも使われるヘルメットと同等の安全があれば安心して使用できるということです。
防災用ヘルメットが「保護帽の規格」に適合に検査に合格したものは、型式検定合格品として「労・検」のラベルが貼付されています。
防災用に適した保護帽の規格は「飛来・落下物用」ですので、この型式検定合格品を選ぶことをおすすめします。
●防災用に使用できる折りたたみヘルメット
これから説明する折りたたみヘルメットは、「飛来・落下物用」の型式検定合格品のものです。
携帯性がよく保管場所をあまり取らない省スペースのヘルメットなので、防災用としても備える方が増えてきています。
輪切りにして留め具でつなぐ方式
ヘルメットを輪切りにして留め具でつなぐイメージの折りたたみヘルメットです。
頭に被るとジャバラのようにスルスルと延びでヘルメットの形になります。
この方式で代表的なヘルメットは、加賀産業の「オサメット(osamet)」です。
折りたたみ時は45mmの薄さになり、A4サイズに収まりますので場所を取らないで収納でき携帯性にも優れています。
国家検定に合格した高い安全性があり、安心して使用できます。
・サイズ(完成時):W281×H210×D132mm
・サイズ(収縮時):W281×H210×D45mm
・頭囲寸法:55-64cm
・重量 :約375g
・材質 :ABS樹脂(帽体)
注)「飛来・落下用」の規格に合格したヘルメットですが、「作業用に使用しないでください。」の注意書きがあります。
左右に折りたたむ方式
ヘルメットの表面を多面体で構成しておいて、左右に折りたたむイメージの折りたたみヘルメットです。
頭に被ると多面体のヘルメットになります。
製品の例としては、安全靴や作業着等で職場などでおなじみのミドリ安全(株)の折りたたみヘルメットFlatmet(フラットメット)があります。
折りたたみヘルメットの中で収納時の薄さがもっとも薄いヘルメットで、折りたたみ時は33mmの薄さになります。

・サイズ(完成時):W285×H150×D208mm
・サイズ(収縮時):W355×H186×D33mm
・頭囲寸法:47-62cm
・重量 :約430g
・材質 :PP(ポリプロピレン)樹脂(帽体)
注)「飛来・落下用」の規格に合格したヘルメットですが、「防災用としているので作業用に使用しないでください。」の注意書きがあります。
この方式には、この他にも次のような製品があります。
・(株)トーヨーセーフティ
「TOYO防災用折りたたみヘルメットブルーム(BLOOM)NO.100」
折りたたみ時は80mm程度の薄さになります。
「TOYO防災用折りたたみヘルメットブルーム(BLOOM)Ⅱ NO.101」
折りたたみ時は45mm程度の薄さになります。
注)「飛来・落下用」の規格に合格したヘルメットですが、「作業用に使用しないでください。」の注意書きがあります。
上下に潰す方式
輪切りにして留め具でつなぐ方式に似ているもので、ヘルメットの前部にある支点により上下に潰すように折りたためるヘルメットです。
この方式の代表的な製品は、DICプラスチック(株)の「IZANO(イザノ)」です。
折りたたみ時は80mm程度の薄さになります。
・サイズ(完成時):W220×H138×D303mm
・サイズ(収縮時):W220×H82×D303mm
・頭囲寸法:55.5-62cm
・重量 :約450g
・材質 :ABS樹脂(帽体)
この保護帽は「飛来・落下物用」と「墜落時保護用」の両方の性能を満足しています。
また、防災用ヘルメットになっていますが、作業時での使用を禁止していません。
保護帽の上半分を回転する方式
保護帽を水平方向に半分に切って、トップ側を裏返しに回転して折りたたむイメージの折りたたみヘルメットです。
この方式の代表的製品は、(株)トーヨーセーフティの「No. 105折りたたみヘルメットムーボ」です。
この折りたたみヘルメットは、従来のヘルメットと変わらないデザインにも関わらず、
折りたたみ時は74mmの薄さになります。

・サイズ(完成時):W208×H140×D277mm
・サイズ(収縮時):W208×H74×D277mm
・頭囲寸法:52-61cm
・重量 :約415g
・材質 :ABS樹脂(帽体)
この保護帽は「飛来・落下物用」と「墜落時保護用」の両方の性能を満足しています。
また、作業用と防災用兼用であることが明記されています。
●防災用の折りたたみヘルメットまとめ
防災用折りたたみヘルメットには、「飛来・落下物用」として保護帽の規格を満足して国家検定合格品とうたっているものでも、労働安全衛生法で定める作業に使用できるものと使用できないものがあります。
同じ規格の合格品であれば、両方の用途に用いてもよさそうなものですが、その違いの理由は公表されていません。
折りたたみの構造によっては、型式検定合格の付帯事項として「作業用には適さない」となっているのかもしれません。
防災用と作業用の両方に使えるものが欲しい場合には、
・DICプラスチック(株)の「IZANO(イザノ)」
か
・(株)トーヨーセーフティの「No. 105折りたたみヘルメットムーボ」
を選ぶといいと思います。
私は防災用としても、デザイン性、収納性、携帯性の観点からこちらの2つがいいと思います。
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