水害が予想される場合の避難のタイミングと避難の仕方
地震で家が倒壊したり、火山の噴火が近くで起きた場合は、目の前で実際の状況を 体感できるので、多くの人が身の危険を感じて避難します。
でも、水害の場合は避難が遅れがちといわれています。
もし、かなり高い上空から俯瞰的に水の勢いを見ているのなら危険を感じて早い避難に 結びつくのかもしれませんが、水の動きが見えていないので”まだ、大丈夫だろう”という 「正常性バイアス」がかかって避難行動が鈍ってしまうのです。
心理的にはもっと単純な理由が働いているかもしれません。
誰でも、雨が強いときは外出したくないし、寒くて暗い夜などは更に避難の判断が 鈍ってしまいます。
避難勧告等がでてもどこに避難すればいいのか、分からないということもあるかも しれません。
こんなことにならないように、水害・土砂災害時に発令される情報の種類、それに伴う 避難のタイミングや避難の仕方について説明します。
●水害・土砂災害の避難勧告はどんなときにどこが出すの?

自然災害に出会ったら、各人は自らの判断で避難行動を起こすことが原則です。
さらに、あなたが住んでいる市町村からは、災害が発生する危険が高まり住民への危機が 迫ったときに、状況に応じて警戒レベルの情報が発令されます。
対象となる水害は、豪雨による水害・土砂災害です。
それでは、警戒レベルの情報はどんなときに出すのでしょうか?
避難勧告等はどんなときに出るの?
住んでいるところの市町村から水害・土砂災害に対して出される避難勧告等は、差し迫って いる災害の程度によって、次節で説明する5段階の情報が提供されます。
水害・土砂災害にみまわれた経験のある方は、突然スマホなどで市町村からの 警戒の情報をもらってびっくりした方もいるのではないでしょうか?
災害に関する情報にはさまざまな情報があることや、災害の頻度との関係もあって、 体験して初めて”警戒レベル”の情報を知ったという方も多いかと思います。
警戒レベルの情報を知ることで、取るべき行動がはっきり分かりますので、 しっかり覚えておきましょう。
●水害・土砂災害に対する警戒レベルと取るべき行動
警戒レベル5
既に災害が発生している状況、命を守るための最善の行動をする。
【災害発生情報】
堤防の決壊など具体的な災害情報が提供されるので、命を守る行動をとる。
警戒レベル4
指定緊急避難場所等への立ち退き避難を基本とする避難行動をとる。
災害が発生するおそれが極めて高い状況であり、指定緊急避難場所への立ち退き 避難はかえって危険と自分で判断した場合は、近所の安全な場所への避難や建物内のより安全な部屋への移動等緊急の避難をする。
【避難勧告】【避難指示(緊急)】
避難勧告は、避難をすすめ促す段階ですので、お互いに助け合って開設された避難場所や 親戚・知人宅などに速やかに避難しましょう。
避難指示(緊急)は、地域の状況に応じて発令されます。
避難勧告より拘束力が強く、ただちに避難が必要ですので速やかに行動しましょう。
水が深くて避難ができない場合は、命を守る最低限の行動を取ってください。
警戒レベル3
避難に時間のかかる高齢者や障害のある方など、特に避難に時間を要する方(要配慮者) は立ち退き避難をする。
その他の人も立ち退き避難の準備をし、自発的に避難する。
【避難準備・高齢者等避難開始】
上記の説明のように行動しましょう。
警戒レベル2
ハザードマップ等により災害リスク、避難場所や避難経路、避難のタイミング等の 再確認、避難情報の把握手段の再確認・注意など、避難に備え自らの避難行動を 確認する。
【注意報】
このレベルでは市町村が発令ではなく、気象庁の発表になります。
警戒レベル1
防災気象情報等の最新情報に注意するなど、災害の心構えを高める。
【警報級の可能性】
このレベルでは市町村が発令ではなく、気象庁の発表になります。
●水害・土砂災害に対する避難するタイミング

平成30年7月の豪雨を踏まえ、住民が取るべき行動を警戒レベルを5段階に分ける ように変わっています。
これによって、避難するタイミングが明確になりました。
もう一度まとめると次のようになります。
・警戒レベル3:高齢者等避難
・警戒レベル4:全員避難
避難指示(緊急)は、必ず発令されるものではなく、災害が発生する状況が極めて高い状況等で、 緊急又は重ねて避難を促す場合に出されます。
避難指示(緊急)がまだ出ないから、大丈夫ということは間違いです。
警戒レベル4が発令されれば、速やかに避難しましょう。
(参考文献:内閣府、避難勧告等に関するガイドラインの改定~警戒レベルの運用等について~)
●どこへ避難するとよいのか、避難の仕方
水害・土砂災害に対して、警戒レベル3、警戒レベル4が発令されたとしても どこへ避難していいのか分からないという方もいるかもしれません。
実際、災害時の報道などを見聞きしても、「避難が必要といわれても、どこに避難して いいのか分かない」という方もいるのが事実です。
避難の仕方には、立ち退き避難と室内安全確保との2つの方法があります。
立ち退き避難は自宅を出て、指定の避難所やその他の安全な場所(親戚や知人の家等)へ移動する 避難行動です。
例えば、河川の近くに住んでいて堤防の決壊や越水(堤防から水があふれ出ること) で、浸水の危険がある場合や土砂災害の危険がある地域に住んでいる場合に必要な 避難方法です。
立ち退き避難
場所を移動することから”水平避難”とか”水平移動”とも呼ばれます。
警戒レベル3、警戒レベル4が市町村から発令されている場合は、併せて避難場所も 開設してありますので、市町村のホームページなどで確認してください。
ホームページにアクセスできない、またはアクセスする手段がないという方は市町村の 役所に電話して確認し、行きやすところの避難所に避難します。
屋内安全確保
気がつくのが遅れて、外を見るとかなり浸水しているなどで、安全な場所に避難する 時間がない、避難場所に移動するには危険が伴うとか暗くて困難とい場合は、屋外に 出ずに2階以上に避難する方法です。
土砂災害の場合は、危険な場所からもっとも離れた部屋へ避難しましょう。
例えば、ひざ上まで浸水している、夜間や豪雨で避難所に行く経路にある危険箇所が 分かりなど場合は屋内で安全確保します。
場所を上下方向に移動することから、”垂直避難”とか”垂直移動”とも呼ばれます。
●避難時に気を付けたいポイント
水害や土砂災害が発生する状況では、立ち退き避難といっても屋外は悪天なので 十分注意が必要です。
また、屋内安全確保の場合もちょっとした注意が必要です。
立ち退き避難の場合
□一人での避難はできるだけ避けて、複数で行動する。
□子どもがいる場合は、目を離さないでいる。
□高齢者、子ども、身体が不自由の方などは時間がかかるので、早めに避難する。
□明るい内に警報レベル3,4を知った場合は、暗くなる前に避難する。
□浸水した道を歩く場合は、マンホールや側溝に注意する。
□水に浸かっても脱げないようにひもで結べる運動靴で避難する。
□土砂災害のおそれのときは、土砂が流れる方向に対して直角に避難する。
土石流のスピードは速いので、同じ方向に避難すると追いつかれてしまう。
□車で移動中に浸水したら、直ぐに車外にでる。
水深が15~20cm前後になると車のエンジンが停止する可能性がある。
水深と流速が増すと、車ごと流される場合もあり危険
屋内安全確保
□窓、雨戸、カーテンを閉める。
□可能なら窓の少ない部屋やがけなどの危険な場所から最も離れた部屋へ移動する。
□家の外にある飛ばされそうなものや流されそうな場合は、室内や軒先に収納する。
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