車に積んでおきたい防災グッズ・防災セットの選び方

大規模な地震や風水害に備えて、防災グッズの準備はできていますか?
防災グッズの準備はできている、ほぼできているという方も結構多いのではないでしょうか。
でも、地震や火山の噴火は、自宅にいるときに起こるとは限りません。
車を普段利用している方は、家で準備している防災グッズと同じように車に積んでおく防災グッズ・防災セットを用意しておくことで、グンと安全度が高まってきます。
防災グッズを準備しておくと、自然災害のみならず車の突発的な故障や事故などの思わぬアクシデントにも役立てることができます。
急激な道路事情の悪化によって、車が立ち往生して自宅に戻れなくなったときなどのために、車に積んでおくことが重要です。
この記事では、車内に防災グッズを載せるメリット、車の中の環境条件と車載用防災グッズの選び方、車に積んでおきたい防災グッズについて紹介します。
●車に防災グッズを載せるメリット
防災グッズは自宅に備えておくだけでいいのではと思う方に、車内に防災グッズを載せておくメリットを災害別にまとめてみました。
地震

車で走行中に大規模な地震が発生すると道路が遮断され、立ち往生することが考えられます。
このような場合は道路の左側に停止させ、ラジオで地震情報や交通情報を聞いて、状況に応じた判断が必要になってきます。
車を乗り捨てないで、1~2日の車内待機で移動できそうなら車内に留まることもありそうですよね。
こんな場合は、車に積んである防災グッズ・防災セットが役立ってきます。
これ以上の車内待機や留まっていては危険な場合は、車道に車を置いて避難するしかありません。
自宅や避難先まで遠い場合には、車に積んである防災グッズを持ち出して途中に役立てることができます。
風水害

風水害による車への影響には、例えば次のような場合が考えられます。
・道路を走行中に河川の氾濫等で急激に冠水し、車から離れる前に水没してしまった。
・車で走行中に土砂災害に会い車が動けなくなった、又はドア付近に土砂が押し寄せドアが開かなくなった。
・強風で倒れてきた木が車を直撃して、ドアが開かなくなった。
以上のような車が受ける災害では、車内に留まると命に危険が及ぶ可能性があるため速やかに車外に出て安全な場所に避難する必要があります。
車が水没したり、土砂に埋もれた場合などドアが開かなくなったときに必要なのが緊急脱出用ハンマー・カッターです。
それ以外の防災グッズは、車に積んであっても持ち出す余裕もなくあまり役立たたないかもしれません。
・大雪により走行中の車が立ち往生してしまった。
大雪で車が立ち往生してしまった場合は、車外に出ると寒さでかえって危険な場合もあります。
道路の除雪がくるまで、1~2日間の車内待機を余儀なくされることが考えられます。
こんな場合には、車に積んである防災グッズが役立ってきます。
●車の中は過酷な環境条件!車載用防災グッズの選び方

車に積んでおく防災グッズとなると、家で準備しているような2~3日分の食料や飲料水、応急処置グッズなどが思い浮かびますが、車内の環境条件は家と違ってかなり過酷になるので、そのような環境下でも品質が短時間で劣化しないものを 選ぶことが重要です。
真夏の車内温度
車を屋外に駐車すると真夏の炎天下では車内温度が最高どの位上がるがご存知ですか?
JAFのユーザーテストによると、気温35℃の炎天下に駐車した車内の温度は次のようになったと報告されています。
・黒の車:車内最高温度57℃
・白の車:車内最高温度52℃
・サンシェード装着:車内最高温度50℃
冬の車内温度
これについてもJAFユーザーテスト結果が報告されています。
冬の場合は、車内の温度は時間の経過とともに外気温に近づくと考えられますので、寒冷地ほど低温の環境になります。
長野県上田市の菅平高原での夜間での実験で、テスト開始時:-10.2℃、最低気温:-13.2℃、テスト終了時:-12.9℃の環境です。
・午前4:30頃 外気温:-12℃、車内温度:-3.9℃
・午前7:00頃 外気温:-12.9℃、車内温度:-7℃
JAFユーザーテストの結果でも車内の環境条件はかなり過酷で、最高気温は57℃、最低気温は-7℃にもなることが分かります。
これらの条件は外気温に影響を受けますので、当然ながら気温が上がれが車内の最高気温はもっと高く、気温が下がれば車内の最低気温はもっと低くなります。
以上から分かることは、車に積んでおく防災グッズはこれらの温度範囲に耐えて品質が短時間で劣化しないものを選ぶことが大切になってきます。
特に、保存水や非常食を選ぶときは注意が必要ですし、乾電池を使用した機器も注意が必要です。
乾電池メーカの「安全に関するご注意」には、こんな注意文が掲載されています。
”
各電池共通
・荷扱い、輸送、陳列、保管及び廃棄上の注意事項
電池は換気のよい、乾燥した涼しい場所に保管してください。
電池を高温・高湿の場所に保管すると電池性能が劣化したり、漏液を促進します。
保管温度は+10℃~+25℃が適切であり、+30℃を超えないようにしてください。
極端な湿度条件(例えば相対湿度が95%以上)に長期間置くと電池や包装に害を与えるので、これを避けるようにしてください。
(三菱乾電池、安全に関するご注意 より)
”
●車に積んでおく防災グッズにはどんなものが必要?

車を利用中に被災して車内待機を余儀なくされた場合を想定して、最低限必要な防災グッズにはどんなものがあるかをまとめてみました。
車内の環境に注意が必要なもの
・食料品
一般的に販売されている非常食・保存食には、5年保存、7年保存されていますが、長期保存用のカップラーメンやアルファ米は常温保存が前提となっています。
常温とは何度位のことを指すのかというと、日本薬局方の定義では「常温15~25℃」となっています。
また、牛乳などの常温保存可能品の表示があるものは、厚生労働省の「常温保存可能製品に関する運用上の注意」では、「常温とは、外気温を超えない温度」とされています。
車に載せる長期保存可能な食料品を選ぶときは、耐温度域を確認し車内の環境条件(温度)を十分満たすものを選ぶようにしましょう。
・保存水
保存水も食料品と同じことが言えます。
災害用として5年、10年の長期保存が可能な保存水は、常温保存を前提としたもので、これらを車に載せると品質が劣化する可能性があります。
殺菌や不純物の除去などをして、耐温度域が車内の環境条件(温度)を十分満たすものを選ぶようにしましょう。
・懐中電灯
夜間車が立ち往生したり、事故があった場合などは明かりが必要となります。
使用する乾電池の保存温度は、必ずしもメーカー推奨する温度範囲と車内の環境条件(温度)とはギャップがありますが、経験的には必ずしも劣化や液漏れが起こる訳ではなさそうです。
現実的には、夏や冬を過ぎた時点で点検し、必要に応じて乾電池を交換することでいいのではないでしょうか。
安全・衛生関係
・救急セット
絆創膏やガーゼ、包帯などがあれば、軽度のケガなどの応急処置ができます。
・簡易トイレ
車内待機になった場合に無くては困るのが、簡易トイレです。
ポケットティッシュと合わせて用意しましょう。
・ポンチョ
簡易トイレを使うときに目かくしに使用します。
また、雨の日に車外に出るときにも役立ちます。
・ホイッスル
大きな音を出すことで、災害時や緊急時に自分の居場所を伝えることができます。
・防塵マスク
砂塵やホコリが舞い上がっているときや噴火が起きたときに役立ちます。
・軍手
車の周辺で作業が必要になったときなどに役立ちます。
・緊急脱出用ハンマー
車が水没したり、事故でドアが開かなくなった場合に窓ガラスを割って、車外に出ることができます。
*緊急脱出用ハンマーの詳細については、こちらの記事も参考になります。
「車にも防災グッズが必要、緊急脱出用ハンマー・カッターが命を救う」
防寒対策
・毛布
寒い季節に車内で待機する必要が生じたときは、防寒対策が必要です。
圧縮できてコンパクトになる毛布が便利です。
寝袋があればベストです。
・使い捨てカイロ
寒冷地では毛布があっても寒いと思われますので、使い捨てカイロがあれば役立ちます。
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