災害時に使用するトイレの種類と自宅に備蓄するトイレ

災害時に使用するトイレの種類と自宅に備蓄するトイレ

大地震や大雨での洪水などの災害があったときは、普段使っていたトイレが使えなくなる可能性があります。

使えなくなる理由としては、

・断水のため水が流せない

・トイレにつながっている下水道の配管が破損

・便器や個室そのものが破損

などが挙げられます。

このため、災害時は普段使っている既設のトイレは使えなくなると考えて、非常用トイレを自分で用意したり、避難所などに一時的に設置される仮設トイレなどを使わざるを得なくなります。

でも、非常用トイレの備蓄や使用方法をインターネット等で調べてみると、災害時に使うトイレにはいろいろな呼び方があって、どのトイレのことを説明しているのか分からなくなってしまうということはありませんか?

実は私もその一人で、携帯トイレ、簡易トイレ、非常用トイレなどなにがどう違うのか分からなくなったときがありました。

今回は災害に備えて、トイレ対策が迷わずできるように、災害時に使うトイレの種類と備蓄しておくべき非常用トイレについて説明していきます。

●災害時に使うトイレの種類

大地震などの災害時に既設のトイレではなく、非常用として使うトイレは何種類かあります。

ここでは、内閣府(防災担当)が分類している非常用トイレについて説明します。

携帯トイレ


非常用トイレ

既設の便器が破損していない場合に、洋式便器につけて使用する袋タイプのトイレです。

袋の中に吸水シートや凝固剤を入れて、水分を安定化できるため、袋をしばりそのままゴミとして捨てることができます。

商品によっては、消臭剤も付いているものや臭気や水分の漏れを防ぐために外袋が付いているものもあります。

既設トイレの便器を利用できない場合は、パーテーションやテントなどで仕切り簡易的な便座(自作の段ボールなど)を用意すれはこの携帯トイレが使用できます。

比較的安価に入手でき、保管場所もあまり取らないので災害用の備蓄に最も向いているといえます。

簡易トイレ


簡易トイレ

介護の現場などで使用している小型で持ち運びが可能なトイレを簡易トイレと呼びます。

このタイプの簡易トイレは持ち運びが可能となうえ、手すりが付いていたり、使用後の臭気対策がされているなど機能的なものもあります。

使用するときは、カーテンなどで仕切ることが必要です。

上記の簡易トイレは、機能的にもある程度充実したトイレですが、段ボール等の組み立て式の便座に先ほどの携帯トイレを付けて使用するトイレも”簡易トイレ”とと呼ばれています。

便袋や凝固剤だけでなく、何らかの簡易的な便座を利用する場合は、簡易トイレと呼ばれるようです。

前者の介護現場で使うような簡易トイレはそれなりに高価ですが、後者のように段ボールなどによる便座は安価に入手できます。

また、段ボールやガムテープなどがあれば、災害が起こってからでも自分で作ることができます。

仮設トイレ


仮設トイレ

イベント会場や建設現場などで良く見かけるのが仮設トイレです。

災害時には避難場所の公園や学校のグランドなどに、自治体などが設置します。

便槽に貯留するものとマンホールが近くにある場合はマンホールに直結して流すものがあります。

機能的に優れているものも多く、照明・水洗などもあり衛生的に使用することができます。

マンホールトイレ


マンホールトイレ

下水道のマンホールなどの上に便座を置き、回りをテントなどで仕切ったトイレで、自治体などが避難場所などに設置します。

下水道の下流側の下水配管や処理場が破損していない場合に使用することが原則です。

本来の下水道に流すことができるので、衛生的なトイレということができます。

●災害後に仮設トイレができるのは何日後?

災害時は仮設トイレができるから大丈夫だろうと思っていませんか。

災害時は交通事情も悪くなるため、災害後すぐに仮設トイレがくるわけではありません。

東日本大震災の例では、3日以内の準備できたという自治体は34%で、4~7日が17%、8~14日が28%、1ケ月以上も要したとう自治体は14%もあったとのことです。

トイレは毎日何回も使うものなので、これではあまり仮設トイレに期待することはできませんよね。

仮設トイレが使えるようになると、トイレの前には長蛇の列ができて簡単には使えなかったというところもあったようです。

そのため、水を飲むのを控えたりする人もいて大きなストレスになったり、病気の一因にもなったとのこと。

トイレに行きたくても行けないことは、とてもつらいことです。

災害時に備え非常用トイレを是非備蓄しましょう。

●自宅に備蓄するのは、携帯トイレや簡易トイレ

自宅に備蓄できる非常用トイレは、携帯トイレ又は簡易トイレといわれるものです。

個室トイレ(便座)が使えるとき

既設の個室トイレが使える場合は、携帯トイレを使います。

個室トイレ(便座)が使えないとき

既設の個室トイレが使えない場合は、簡易トイレを使うことになります。

非常用トイレの作り方や使い方については、こちらの記事が参考になります。

災害時に使う非常用トイレの作り方