災害で断水のとき溜めた水でトイレを流すのはNG

災害で断水のとき溜めた水でトイレを流すのはNG

大きな地震が起こって、断水や停電が起こっても、生理現象はそう長く我慢できるものではありません。

こんなときは今まで使っていたトイレが、急に使えなくなってしまうのですから本当に困ってしまいますよね。

断水のときは、トイレを使ったあと風呂の水や庭においた雨水タンクの水をバケツに入れて、一気に流すと汚物は水と一緒に流れてくれます。

これは便利、溜めた水を使えば断水のときでも、トイレが使えると思っていると思わぬ失敗が潜んでいる場合があります。

溜めた水でトイレを流すとどんな場合にNGなのかを、もう少し詳しく説明します。

●一戸建ての場合トイレの水を流していいの?

溜めた水を使ってトイレを流していい場合は、地震などの自然災害と関係なく、渇水対策とか水道管工事などであらかじめ断水が分かっているときのみです。

ところが、地震などで急に断水になった場合は、自宅の周りに埋設してある下水道管が損傷して流れ難くなっている可能性があります。

こんな状況で何回か溜めた水を流していると、そのうちトイレの水の流れが悪くなり便器内は汚物が入ったままということになりかねません。

一戸建ての場合でも災害で断水になった場合は、トイレで水を流さずに非常用トイレを作り、袋内に溜めるようにしましょう。

避難所のトイレが使えるという選択肢もありますが、状況によっては長蛇の列です。

非常用トイレが作れるように、最低の防災用品を備蓄しておきましょう。

●集合住宅の場合は溜めた水でトイレを流すのは危険

集合住宅の場合も災害と関係のない計画断水のときは、溜めた水でトイレを流しても問題がありません。

でも、災害で断水の場合は溜めた水でトイレを流すのは、被害を拡大させる恐れがありますので止めましょう。

集合住宅の場合は上の階から下の階まで下水管がつながっているので、もしどこかで破裂していればそこの階で汚物が溢れでてしまいます。

被害を受けた人が後で損害賠償の訴えを起こす可能性もあるのです。

集合住宅の管理会社がトイレを流してもいいという許可がでるまでは、トイレで水を流さずに非常用トイレを作り、袋内に溜めるようにしましょう。

●水洗トイレを使用する時に確認すべきことは!?

大きな地震があったときなどは、トイレを使い始める前に次のことを確認しましょう。

・役所のホームページ等で下水道の使用が制限されていないか

・一戸建ての住宅では、宅地内にある汚水ますの蓋を自分で開けて流れているかを確認

宅地内に浴室、トイレ、台所の近くに汚水ますがあるので、汚水ますの蓋をマイナスドライバーで開けて汚水が滞っていないかを確認します。

次に、家の人に台所やトイレなどで水を流してもらい、水が流れてきているかを確認します。

・集合住宅の場合は、トイレを使用していいかを管理会社に確認

(参考資料:国土交通省 水管理・国土保全局 下水道部、「災害時のトイレ、どうする?」

●下水道が使えないときのトイレの対処法まとめ

災害で断水したときは、破損により下水道も使えなくなっている可能性があります。

トイレを使用し風呂などに溜めた水を使って流さずに、ゴミ袋などを使って非常用トイレを作り袋で一時保管しておきましょう。

非常用トイレの作り方については、次の記事が参考になります。

災害時に使う非常用トイレの作り方