防災グッズとして非常食を備えるときの考え方と食品の選び方

防災グッズとして非常食を備えるときの考え方と食品の選び方

・防災グッズとして非常食を備えようと思っているが、何日分用意すればよいのか分からない。

・非常食を備えるには場所とお金がかかるので、延び延びになっている。

などということはありませんか。

防災グッズとして非常食を備えるとき、何日分を用意すればいいのか悩ましいところですよね。

災害に備えて家庭での食料の備蓄を無理なく、継続的にやっていくために非常食を備えるときにの考え方と食品の選び方を調べてみました。

●防災用として非常食は何日分用意すればいいの?

農林省の食料の家庭備蓄懇談会での資料によれば、

最低でも3日間(できれば1週間程度)は家庭でも食料を備蓄しておくことが大切とされてされています。
「食料の家庭備蓄をめぐる状況」:平成30年12月26日、農林水産省

その理由は、大地震を経験されている方はすぐお分かりかと思いますが、次の2点です。

・食料品の入手が困難になる

・一部の食料品に需要が一時的に集中し、品薄状態や売り切れ状態になる

つまり、地震などが発生するとスーパーなどが食料品を発注しても、生産工場から出荷するには時間がかかり、出荷されたとしても道路の損壊や物流網の混乱が生じるため簡単には店の棚には並びません。

同様に被災地外からの大量の支援物質も配送することが物理的に困難になってくるので、欲しい人まで届かなくなってしまいます。

そのため、各家庭でも食料品、水、携帯トイレなどを備えておくことが必要になってきます。

●食品の備蓄はローリングストック法がおすすめ

最低限でも3日分の食料を用意するとなると、3人家族の場合3人X3食/日X3日=27食の備蓄が必要になってきます。

1週間分となると63食分となり、かなりの量を備蓄しなくてはならなくなります。

せっかく備えても災害がこないうちに保存期間を過ぎてしまい、廃棄するとなっては損失感も大きいものです。

こんな状態にならないためにも、食料品の備蓄には「ローリングストック法」がおすすめです。

食料品の備蓄は必ずしも防災用の保存食を購入することではなく、普段の食生活で使用するような食料品でも、ちょっとした工夫で備蓄することができます。

その方法が「ローリングストック法」で、普段から食べている日持ちのする食品を多目に買い置きして、消費期限をみながら食べていきます。

そして、食べた分は補充しておくという考え方です。

ローリングストック法

(農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」(平成31年3月発行)より)

この方法を取れば防災グッズとして非常食を備蓄するためのしきいも低く感じるので、無理なく継続できるのではないでしょうか。

ローリングストック法を上手に運用するポイントは、次の通りです。

・備蓄した食品のチェックリストを作成して、賞味期限をチェックしながら運用する。

・チェックリストが面倒な方は、古いものは手前におき新しいものは奥に入れて手前から使っていく。

・買い置きするものはできるだけ、保存期間の長いものを選ぶ。

・高齢者や乳幼児、食物アレルギーなど家族の事情を考慮して備える。

●非常食として備蓄に適している食品

家庭で備蓄する食品は、主食とする炭水化物と主菜とするたんぱく質の組み合わせで備えることを基本とします。

・主食として備えるもの

<米>

保存もきくので、水と熱源があれば食料備蓄の柱とすることができます。

2kgの米があれば1食0.5合(75g)と考えると約27食分となり、3人家族の場合の3日分の主食が確保できることになります。

<アルファ米>

アルファ米の赤飯
(アルファ米の赤飯)

お米を炊き上げたあと、急速に乾燥させるとお湯が水を注ぐだけで、美味しいご飯になる不思議な米です。

割高にはなりますが、保存食には非常に適していて保存期間も5年常温保存が可能なものがあります。

亀田製菓のグループ会社の尾西食品では、白飯だけでなく五目ごはん、松茸ごはん、赤飯などのメニューが揃っていますのので、味の変化も楽しめます。

非常持ち出し袋に2食程度入れておくと避難所でも簡単に食べることができます。

尾西食品 アルファ米 白飯100g×5食は、アマゾンで1500円程度で購入できますので1食300円位になります。

<レトルトおかゆ>

アルファ米と違って、湯煎などであたためる必要がありますが、パックご飯と違って5分程度の湯煎で食べることができます。

湯煎ができない場合でもそのまま食べることができます。

賞味期限は商品によっても異なりますが、長いものでは1年程度のものがあります。

例えば、アマゾンで人気の「まごころ一膳 富士山の銘水で炊きあげたおかゆ 4種×2袋 (白がゆ、梅がゆ、玉子がゆ、紅鮭がゆ)」は、1100円程度で購入できますので、1食140円程度になります。

<缶詰パン>

缶詰にされているパンで美味しさと保存期間が両立しているのが大きなメリットです。

商品によって3年、5年の保存が可能です。

例えば、アマゾンで人気の「ボローニャ 缶deボローニャ6缶セット」は、2400円程度ですので、1食が400円程度になります。

加熱しないで直ぐに食べられるものの中では、美味しさと保存期間が両立しているだけあって比較的高価な部類に入ります。

<カップ麺類>

お湯を注ぐだけで食べられるので、保存食にも適しています。

<乾麺>

水と熱源でゆでる必要がありますが、うどん、そば、そうめん、パスタなどは保存食にも適しています。

・主菜として備えるもの

<缶詰(肉・魚)>

サケの缶詰

災害時の非常食となると主食となる炭水化物が多くなりがちですが、病気にかからないためにも免疫力を高めるたんぱく質も摂る必要があります。

たんぱく質を含む肉や魚、大豆製品、たまごなど主食のおかずとなるものも備蓄しておきましょう。

肉や魚の缶詰は長期保存に適していて、経済的ですのでおすすめです。

<レトルト食品>

レトルト食品

牛丼、親子丼、中華丼、カレーなどのレトルト食品も1年程度の保存がきくのでお好みのものを揃えておくとご飯と一緒に食べることができます。

<フリーズドライ食品>

フリーズドライ食品というとみそ汁とかスープを思い浮かべるかもしれませんが最、近は進化していろいろなものが商品化されています。

フリーズドライは凍結させた食品を真空下で乾燥させたもので、長期保存が可能になっています。

例えば、アサヒ食品グループの「チキンカツの玉子とじ」はお湯をかけるだけでできるので、それをご飯の上に乗っけるとチキンカツの玉子とじ丼がすぐにできてしまいます。

親子丼、牛すき丼、麻婆なす丼などびっくりするほどいろいろなものがあります。

玉子スープなどもありますので、たんぱく質の補給ができます。

・副菜として備えるもの

野菜や海藻なども備えておくと不足しがちなビタミンやミネラルを補給することができます。

<根菜類>

水や熱源が必要となりますが、日持ちのするジャガイモ、さつまいも、玉ねぎなどの根菜類があると食べつなげます。

<野菜の缶詰>

コーンやトマトなどの缶詰も長期保存が可能な食品です。

<乾物>

野菜では切り干し大根や干ししいたけ、干し竹の子などがあり、長期保存ができます。

海藻では乾燥ワカメや乾燥昆布などがあります。

いかがですか?

こう並べると食品保存技術の進歩によって、保存食はまずいというイメージも変わりつつあります。

特にフリーズドライなどは驚きますよね!

保存食を食べて楽しみながら、あなたも是非ローリングストック法を実行していきませんか?