災害時における避難所ではどんな病気は流行りやすいの?その予防方法は?
災害時は上下水道が使えなくなりすることで衛生状態が悪くなったり、疲労や食料が不足するために栄養状態が悪くなり抵抗力が低下するなどさまざまな要因が重なって、いろいろな病気が流行ることが知られています。
特に避難勧告が出て、避難所への避難が必要になると集団生活のためにさらに健康面でのリスクが増えてきます。
なかなか衰えてこない新型コロナウィルスの感染予防もどうすればいいのか、気になってきます。
避難所生活で感染を予防するには、どんなことに注意すればいいのかをまとめてみました。
●災害発生時にはどんな病気が流行るの?
一般的に人が多く集まる避難所では、感染症が流行る可能性が高くなります。
2011年に発生した東日本大震災でもいくつかの集団感染があるようですが、具体的な事例では、避難所になった岩手県の学校の体育感では、インフルエンザが集団発生し発症者の総数は40名であったことが報告されています。
(出典:環境感染誌、Vol.28,No.2,2013,東日本大震災後避難所でのインフルエンザ集団発生への対策と効果)
また、2016年の熊本地震では、避難所でノロウィルスによる感染性胃腸炎の流行が発生した事例も報告されています。
(出典:日本感染症雑誌、Vol.91,No.5,熊本地震避難所における感染性胃腸炎流行と感染対策)
その他にも感冒や肺炎、時期によっては感染性食中毒なども発生するといわれています。
2020年以降はさらに新型コロナの感染リスクも増えたので、体育館などを避難所とする場合は、国からも自治体に向けて、できるだけ多くの避難所を準備し、換気をしたり、各家族間の距離を1~2m以上空けるよう要請しています。
なので、避難所に行くとそのように指導されるので避難所での注意事項をしっかり守るようにしましょう。
その上で、感染防止のために避難者も対策することが必要になってきます。
どんな対策をすればいいのか、まとめると次のようになります。
●新型コロナ対策のために避難者が注意すべきこと
・人との間隔を2m(最低でも1m)空ける
避難所では人が多く集まっているので、3密を常に心がけ、人との間隔を2m(最低1m)空けましょう。
・近く話すときはマスクを着用
人と近くで話すときは、マスクを着用しましょう。
熱中症のおそれがある場合は、周囲に人がいないところを見つけマスクを外していいといいます。
・スリッパなどを履く
床はいろいろな要因で汚れていますので、スリッパを各自用意して自分専用のスリッパを履くようにしましょう。
・食器やタオルなどを共有しない。
家族間でも感染のリスクがあるので、身体に触れるものは共用しないようにしましょう。
・体温計を持参して毎日検温する
体調を知るために、体温計を持参し毎日体温を計りましょう。
・ドアノブを触った後はこまめの手洗い
皆が触るところは、細菌やウィルスなどが付着する可能性がありますので、出入り口やトイレなどのドアノブを触った後は、こまめに手洗いをしましょう。
洗った後蛇口に触れたら、消毒液で消毒する。
・手指消毒液を持参
手指消毒剤を持参し、水が使えないときの手指の消毒やトイレでの使用前後の便座を拭くようにしましょう。
・洋式トイレでは便座の蓋を閉めて流す
ウィルスは便中にも含まれるため、洋式便座であれば飛沫が飛ばないよう蓋を閉めて流すようにしましょう。
・ティッシュなどのゴミはポリ袋にいれ、口を閉めて捨てる
使用したティッシュやマスクはポリ袋にまとめて入れて、口を閉めてからゴミ箱に入れる。
(参考:2020.6.17讀賣新聞朝刊、防災ニッポン、風水害避難所生活(1))
自分が感染しない、他の人にも感染させないというお互いへの思いやりを持って、しっかり注意しましょう。
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